ウィルス・ワームなどマルウェアの分類
●マルウェア(malware)
「悪意のあるプログラム」という意味(「mal-」という接頭辞には「悪の」という意味があり、これとソフトウェアを組み合わせた造語)で、利用者にとって好ましからざるプログラムの総称。
下記の定義はASC(Anti-Spyware Coalition[アンチ・スパイウェア・コーリション];米国のセキュリティー対策企業を含むインターネット企業や大学、非営利団体が結集して’05年7月に発足した団体)で検討・提示されている分類。
■ウィルス(virs)
自分自身をコピーして増殖するプログラム。感染、潜伏、他のパソコンなどへの感染機能を持つ。形態として、実行形プログラム、ブートプログラム、マクロプログラム、スクリプトなどがある。症状としては、破壊、盗聴、いたずらなどがある。
■ワーム(worm)
感染したコンピュータのメモリーからネットワークを介して感染先のコンピュータのメモリーに自分自身をコピーして増殖する(ファイルに感染しない)特定の種類のウイルス。
■トロイの木馬(Trojan Horse)
ユーザーが望まない破壊、盗聴、いたずらなどの被害を起こす機能が隠れている悪質なプログラムで、ユーザーの了承を得ないでインストールされる。一般的に被害者を特定して利用され、他のパソコンに感染することは無い。これに対しウィルスは無差別に感染し被害者を特定できないため、トロイの木馬とは呼ばない。
■ハイジャッカー(Hi-jacker)
ユーザーの了承を得ないでインストールされ、ブラウザ起動したときに最初に表示されるウェブページを変更したり、閲覧中のページ以外のページへ強制的に誘導するためのプログラム。
■アドウェア(adware)
広告のウインドウをポップアップ表示させたり、ブラウザで広告を表示させたりするプログラム。
■スパイウェア(spyware)
ユーザーの意思に関わらずインストールされ、ユーザーを特定する情報やウェブの閲覧記録などを盗み、加害者へ通信するプログラム。
■キーロガー(key logger)
ユーザーのキー入力を全て記録するツール。クレジットカードの番号や銀行の暗証番号などの個人情報が簡単に盗まれてしまう。
■ハッキングツール(hacking tool)
不正アクセス(調査、進入、盗聴、制御、破壊など)をするために被害者のコンピュータに仕掛けたり、ネットワーク上や攻撃者のコンピュータ上で利用されるプログラムの総称。
出典:2005年12月21日付 日刊工業新聞